映画『 0円キッチン』:映画が教えてくれること。-MOVIE REVIEW-

石川県小松市にあるTAKIGAHARA FARMで、ゴミ料理のワークショップに参加したことがある。魚のアラやスーパーで捨てられるキャベツの葉。しなしなになってしまった人参など、廃棄される予定だった食材と、購入した食材を組み合わせながら調理する。

食材がどうやって食卓に届くのか。参加者がペアになって考え、話し合いながら、料理もつくる。出来上がったものは、サラダ、揚げ物、蒸し焼き、煮物にスイーツまであり、とてもバラエティ豊かで感動した。そして、想像していた以上に美味しかった。

ワークショップに参加後、映画『0円キッチン』を観た。

本作は、食品ロス、廃棄食材をテーマにしたロードムービー。まだまだ食べられるものが、生産や小売、消費に関わるいたるところで、ガンガン捨てられる様子が描かれる。食材救出人のダービッドが、廃棄食材を美味しい料理に変身させるのだけれど、食品ロスに関係するプレイヤーが多すぎることにびっくりする。

人は食べないと、生きていけない。日頃当たり前になっている「食べる」という行為に、意識をもった方がいいんだろう。食材がどのようにつくられて、食卓に届くのかを想像してみたり、必要なものを、必要な分だけ、いただく。あとは、買い込んでしまったり、たくさんあるものについては、シェア、おすそ分けの気持ちも大切だ。

私は幸運にも、周りにそういったことに意識を持っている友人がいたことで、自分も少しずつ意識をするようになった。そしてダイエットを始め、外食をする際、無農薬の野菜などを使用した、身体に優しそうなものを選択するようになった(はず、少しだけは、、、)。

だって、食べる量を制限しているんだもの。どうせカロリーを摂取するなら、良質なものを選んだ方がいいし、そのほうが太らないような気もする。

美味しい料理に変身させることができる食材を、廃棄するのはもったいない。何をどう食べるかの選択は、自分の身体もつくるし、未来をつくる選択にもなるということ。改めて、「食べる」ことに、自然と向き合うきっかけになる映画だ。

0円キッチン
監督:ダーヴィド・グロス、ゲオルク・ミッシュ
脚本:ダーヴィド・グロス
原題:「WASTECOOKING」/2015年制作/オーストリア
上映時間:81分

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