超私的読者案内、記念すべき1回目は、糸井重里さんの「インターネット的」。何度も読み直すバイブル的存在だ。
本書は、「インターネット”的”」とある通り、「インターネット」自体について書かれたものではない。「インターネット的であること」を、リンク・シェア・フラットという3つの概念を軸に、社会の変化や人との繋がりの重要性について語っている。
一見無関係な情報が、いかしあうつながりに発展したり、おすそ分けの大切さ、社会的な地位やポジションに関係のない、無名性での情報のやり取り。インターネットが浸透した今、目新しい情報に感激するというより、なんとなく頭の片隅になることが解像度高く、どんどん響いてくる。この本を2014年に書いている糸井さん、ほんとにすごい。
とにかく全部が面白すぎて、どこをとりあげるのかが難しいけども…。ひとつあげるのであれば、「インターネットという情報を届ける仕組みは、とっても便利。でも、あなたの幸せは何ですか?何を大切と考えてる?そこをちゃんと考えようね。」と問いかけてくれてる部分だ。
本文より、糸井さんの言葉を引用する。
”どっちの道に行きたいのか、何がいやで何がしたいのか、何を美しいと感じ何をみにくいと思うのか、そういったことを自分なりに生きるための「軸」として持っていないと、他人とリンクしたり、他人の協力を得られたりができないでしょう。”
「インターネット的」P.244より引用
SNSが浸透し、これまで以上に自分の意見を、気軽に発信できるようになった。ただその代わり、タイムラインに流れるインフルエンサーの発言を追いかけ、誰かからの「いいね」を意識する。インターネットは、気軽に自分を表現したり、新しい発見に出会える場だったのに、いつの間にか承認欲求を満たす場になってしまった。
誰かからの反応を見ながら、自分の立ち位置を決めたりすることって、とってもしんどい。私は私よ 関係ないわ〜♪、でありたい私にとっては、まさに地獄みたいなもんだ。
糸井さんの言葉を借りるのであれば、「自分軸」の重要性と向き合う必要がある。自分が何者であるかをちゃんと向き合い、かっこ良くいうならば、傍観者から表現者へシフトしよう。インターネット上でもリアルでも、誰かと関係を築くならば、“自分”を理解してもらうことは、重要なことだ。
そう思ったことが、「Our Good Life」というメディアを立ち上げたきっかけにもなっている。どうぞこれからもよろしくお付き合いくださいませ。