畑で森で、採れたものを中心に。たまには街のおいしいお店へも。
“自然派食いしんぼう”こと mizunami organic farm のトモミが、 季節の恵みを楽しむ様を、みなさんにもおすそ分け。
今回は、藤田屋の大あんまき。
少し前に、近場で小旅行へ行った時に食べた美味しいおやつをご紹介。藤田屋は、愛知県知立市に本店を構える老舗和菓子店で、名古屋の大きな駅などでも販売されているので、見かけたことのある人も多いのでは。
その日の私も駅構内の売店前を通りかかって、ほのかに漂う甘い餡の香りに、足を止めてしまいました。朝ごはん食べて間もないのに。 包んでもらう間、店頭に貼られているポスターが目に留まりました。
—– 大きさと甘さのバランス ほんとうは、もっと日持ちのするつくり方もあるのですが。 藤田屋の大あんまきの消費期限は、お求めの翌日まで。例えば餡に入れる砂糖の量を増やせば、もっと日持ちのするようにつくることもできます。
けれどもそうすると、あの大きさと、最後までおいしく食べられる控えめな甘さを守ることはできません。 たくさん売ることよりも、おいしく売ることを大切にしています。—–
藤田屋HPより抜粋
「たくさん売ることよりも、おいしく売ることを大切にしています。」 ここ、ぐっときました。
商売なんだから、たくさん売って、利益を追求するのは当たり前なのに、そうじゃない。それが最優先じゃない。 たっぷり砂糖をいれて、甘くすれば、簡単に、分かりやすく、美味しく感じてもらいやすい。日持ちもする。でも、それをしない。
他にも、当日製造当日出荷、道具へのこだわり、原材料への想いなどいくつかのバージョンで「たくさん売ることよりも、 おいしく売ることを大切にしています。」というメッセージが示されています。
サステナビリティとかSDGsとかカタカタことばで言われるずっと前から、この哲学を貫いてきたんだという老舗の心意気、大事なことは譲らないというその姿勢、かっこいい。
作りすぎて無駄を出さない、便利至上じゃない、売れゆき最優先じゃない。もちろんたくさん食べてもらいたいんだけど、そこは味で勝負。かっこいい。
この哲学を守りながらなお、本当に美味しいものを届け続けてきたからこそ、このお菓子はずっと愛され続けてきたんだねと、あんまきをめぐるストーリーを味わいながら、あんまきをお腹に抱え、旅を締めくくりました。おいしかったです。
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