有機栽培でつくった野菜は腐らない。不自然じゃない畑づくりに取り組む理由。

私たちにとって、欠かすことができない「食べる」という行為。どうやって食材が作られているか。どこで食材を購入するか……。食にまつわる選択肢は、たくさんある。

「食」をテーマに、豊かな暮らしとは何かを探る、本特集。今回お話を伺ったのは、岐阜県飛騨市で、無農薬、無化学肥料、不耕起栽培で野菜を栽培している、井関貴文さん。高山市で木工職人として勤務した会社を退社後、トマトに出会ったことがきっかけで、農業を始めることに。

「全てが循環する仕組みを意識した畑づくり、不自然じゃない畑づくりに取り組んでいます。」

野菜づくりや自身の畑を案内する活動を通じて、多くの人に何を伝えたいのか。様々なやり方で農業を模索してきた、井関さんの想いを伺った。

除草剤を撒いたり、肥料を混ぜないやり方を、僕は知らなかったです

農業を始めるまでは、トマトがどうできるのか、農業自体を全く知らなかったと語る井関さん。現在、農家として7年目。元々は、普通のスーパーでよく売っているような農薬や肥料を使う、慣行栽培で農業を始めた。

あるとき、有機農家さんが作るトマトを食べて、強烈的に甘くて今まで食べてきたものと、あまりにも味が違ったことに、衝撃を受けたという。

そして現在の場所に移って2年目。今では、これまでのやり方をトータル的に分析して、無農薬、無化学肥料で、農地を耕さずに作物を栽培する不耕起栽培をベースにした畑づくりに取り組んでいる。

慣行栽培から、有機栽培へ

「有機栽培でつくった野菜は、腐らないんです。」と、井関さんは話す。慣行栽培をしていたときは、取り残したトマトや割れたトマトが、圃場に落ちたらすごい嫌な匂いがしたそうだ。

有機栽培に変えてからは、腐敗臭ではなく、発酵する匂いに変わったことが、一番初めに違いを感じたところだという。

これまでと比べ、収穫量がびっくりするぐらい減ったこと、切り替えた年は思ったほど、味ものってこなかったが辛かった。けれど、野菜が腐らなかったり、慣行栽培の頃とは違う味のよさを感じることができた。

農薬などの化学薬品を使わないことで、身体の安全も保たれることもあり、有機栽培に取り組んでいる。

自然の循環の仕組みを、一緒に感じてほしい

井関さんの畑は、必要以上に人間の手をかけていない。太陽や空気、水、土など自然界が持つ本来の力を引き出す、持続可能な畑づくりを実践している。殺虫剤同様、除草剤も使わないので、雑草は手で抜いていく必要がある。

「うちの畑は草も結構生えているから、そういうところを見てもらって感じることから、日々の暮らしに何か一つでも、より豊かになるきっかけが作れればいいな。」と井関さんは語る。

井関農園では月に1度のオープンデイを開催している。農園のこれまでの取り組みや、自然の循環の仕組みの話を、参加者と対話をしながら、体感してもらう機会だ。

また、”収穫”から”食べる”までを体感できる食育イベントなどもあり、催し物は盛りだくさん。

農園に足を運び、見て聞いて感じ、笑顔になれる場所作りを体感することが、私たちの暮らしについて考えるヒントにつながるはずだろう。

Information~オープンデイのお知らせ~

井関農園では月に1度のオープンデイを開催しています。
オープンディでは、井関農園のこれまで/これからの取り組み、畑やフィールドの見学、パーマカルチャーのお話などを聞くことができます!

井関さんと、様々なお話をしながら楽しくフィールドを歩きましょう!
私たちの暮らしについて考えるヒントが得られるかも!?

詳しくは、こちらのリンクからご確認ください。

話者プロフィール :井関 貴文(いせき たかふみ)

井関農園 園主
井関農園オンラインショップ
井関農園 instagram

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